英文メールを日本語に訳すときの5つのコツ

最終更新日 2024-08-07

英文メールを日本語に訳して欲しい、と頼まれることがあるでしょうか?他人宛に書かれた英文メールを訳すのは、簡単そうで結構難しいです。メールの書き手と受け手が知り合い同士である場合の日常的なやりとりに関するメールではなおさらです。

その主な理由

・メールが書かれた背景情報、両者が共有している話題を知らない。

・厳密に英文法ルールに従っていない場合がある。

・遠回しに書かれている場合は書き手の真意をつかみにくい。

そんな時どうすればきちんと訳せるか、5つのコツを紹介します。

  1. 背景情報など不明点があれば受け手に確認する
  2. 背景情報を確認できない場合は単語の意味を安易に決めつけない
  3. 文法が正確でない場合でも最善を尽くして訳す
  4. メールの目的を見極める
  5. 全体としてメリハリをつけて訳す
  6. まとめ

1.背景情報など不明点があれば受け手に確認する

できるだけメールの背景情報を知っておいた方が英文レターの内容がよく理解できます。可能な範囲で背景情報をメールの受け手側から提供してもらいましょう。

英語で書かれていることを機械的に日本語に置き換えればそれで終わりというわけにはいきません。グーグル翻訳などを使えば瞬時に英文レターの文面が日本語に翻訳されます。かなり精度は上がってきており、推測すればなんとか言いたいことがわかるレベルに近づいています。しかし、日本語に訳すように頼まれた以上、機械翻訳をそのまま手渡すわけにはいきません。少なくとも、受け手には日本語として意味が通じるものを提出しなければなりません。

そのために、メールの受け手から可能な限り背景事情を教えてもらい、使われている英単語の意味や話題となっている状況がわかる状態にまでもっていくことが重要です。

2.背景情報を確認できない場合は単語の意味を安易に決めつけない

背景事情などを当事者に確認できない状況にいる場合はどうすればよいか。おおよその状況はわかるとしても、単語の意味が複数ある場合には、どの意味で使われているのかがすぐには判明しないことも多くあります。

例えば、「the wheel」について書かれているとします。当事者の間では互いに「特定のwheel」が何のことを言っているのかわかっています。何も情報を持たない翻訳者は、「wheel」が「車の車輪」なのか、「ホイール」なのか、「ハンドル(ステアリングホイール)」なのか、すぐには断定できません。英文全体を読み進めて行きヒントを見つけて、そこから意味を特定するしかありません。

このように、英単語には複数の意味を持つものが多いので、安易に意味を決めつけないで英文全体から適切な意味を探り出すことが大切です。

3.文法が正確でない場合でも最善を尽くして訳す

日本人向けに英文メールを書く場合は、英語が母国語でないことに気を使ってくれて丁寧な英文を書くケースが多いと思います。しかし、メールの気軽さから話すように書かれている場合も少なからずあります。時には、誤字脱字もあり、一度書いた英文を見直さずに送信することも。

そういう場合は、自分の持っている知識をフル活用し、インターネットでフレーズ検索するなどして、可能な限り意味を探るしかありません。誤字脱字の部分については、正しいと思った言葉やフレーズで訳しておいて、訳文のどこかに注釈を入れておくのが親切だと思います。

それでも受け手が理解できないようであれば、メールへの返信として受け手側から質問するのが適切です。

4.メールの目的を見極める

メールの書き手は何かの目的があってメールを受け手に送信します。その目的を正確にくみとって受け手に届くように訳す必要があります。

目的は必ずしもわかりやすく書かれているとは限りません。英語だからといって常にストレートに物事を頼んでくるということでもなく、遠回しな言い方が使われることもよくもあります。

そこで重要になってくるのが、助動詞の使われ方です。特に、「can」「could」「may」「might」「must」そして「should」「would」など。文脈によって様々な意味を持ち、様々なニュアンスが加わるので、正確に意味をくみとる必要があります。

文法の知識が必要になってきますので、手元に参考書や辞書を常備するなどして確認しましょう。文法理論まで深入りしてかえって英語が苦手に思えてしまっては意味がありません。そうなりそうな場合は、英語学習者向けの英英辞書の説明ならポイントを例文を使って簡潔に説明しているので、そこから理解するのがオススメです。

それに加えて、依頼の表現も重要です。「Can you …?」「Could we …?」「Would you …?」「Would you mind ~ing?」「I would appreciate if …」「Please」など。丁寧さの度合いが異なることに注意して訳し分ける必要があります。

5.全体としてメリハリをつけて訳す

メールはレターの略式バージョンといっても、ある程度はフォーマットのようなものが使われます。導入のための簡潔な挨拶、メインとなる部分、締めの言葉という流れが一般的です。

挨拶の部分や締めの部分は、意訳して日本語での決まり文句を使うのが普通です。これらの部分はあまり時間をかけずに済ませるべきです。

実際、グーグル翻訳などの機械翻訳でもそのあたりはわりと上手に訳している場合が多いと思います。翻訳者はメインとなる部分の翻訳に時間をかけ、正確に、ニュアンスを含めて丁寧に訳出するべきです。そうすることで全体にメリハリが出て、読む人が重要な部分に集中できます。

まとめ

以上で、英文メールの日本語訳が出来上がります。日本人向けの英文メールは、日本人にもわかりやすいように丁寧に、気持ちをこめて書かれているケースが多いです。

メールを訳すことを頼まれたときには、書き手の伝えようとする気持ちをくみとって、それが受け手にも伝わるように丁寧に訳すことが大切です。そうすることで書き手と読み手の間に信頼関係が構築されていきますよ。